大航海な資料集



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帆船 精密な復原図で帆船141隻を網羅、詳説
アティリオ・クカーリ著 茂在寅男訳 小学館1981年
帆船?精密な復原図で帆船141隻を網羅、詳説
茂在寅男、Attilio Cucari 他 (1981/01)
小学館

の、洋書盤。


もう20年以上前に出版された子供向けの帆船図鑑。
アティリオ・クカーリ氏っていう、船の歴史図鑑の著者にも名を連ねてる専門家が141隻もの帆船をカラーの挿し絵と詳細なデータで解説した本です。
内容が古くて記述がいい加減なところもある(例えば、ヴィクトリア号は去年愛知万博に来航した最新の復元船と全然形が違う)のですが、帆船に関してこんなに大量に扱った本は日本語の本では一冊もありません。

残念ながら絶版書で古本屋さんでもまず見かけません。私が読んだのも図書館の閉架から出してもらってって感じでした。 が、アメリカのamazonなどではときどき見かけるようで、私が手に入れたのもこの英語版でした。

中はこんな感じです。

ニーニャ号
……一般の海洋文学、特にスペインの海洋文学においても、コロンブスの船についての詳細な説明は載せていない。われわれが知りうる全てのものは、コロンブスの航海日誌からきたもので、概略の情報しか得られない。ニーニャ号はラティーンセイルを張っていた。そしてこれはいろいろの記述と復元を生んだ。このニーニャという名は「小さなもの」というよりは「若い女性」という意味である…… (以下略)

内容は洋書も和書も一緒で、コグ船〜クリッパーまで合計150隻が図説してあります。左ページが解説文、右ページにイラストが配置されていて、その美しい挿絵ーを眺めているだけでも楽しくなるおすすめの本です。





帆船 6000年のあゆみ
著 Romola & R.C.Anderson
監修 杉浦昭典

紀元前4000年の古代エジプトのボートから19世紀のクリッパーまでの帆船の歴史についての専門書です。この本では船体構造とその変遷の過程に解説の重点が置かれ、帆やマスト、柁、船首船尾の構造が、時代とともにどのように変化していったかを知ることができます。

ただ、この本の最大の欠点は読み物としては退屈で難解なこと。学校で講義を受けているようで読んでて眠くなります。その上、図やイラストが貧弱な上に専門用語が続出するので、どうにもこうにも。

帆船の構造についてひととおり理解した上での、中級者のための一冊です。

 


大砲と帆船 ヨーロッパの世界制覇と技術革新
著 C.M.チポラ

大砲と帆船の本というより艦載砲についての解説書です。
この本のユニークな点は、経済学者である著者が、大砲についてその原料となる銅や鉄の価格差であるとか、とあるイングランドの鋳造所の年度ごとの生産量の推移といった、平時における産業としての大砲に着目しているところでしょう。

この本では本論とほぼ同量のボリュームを注釈に割いているのですが、注釈が意外と面白く読めます。例えば、1516年にアデンから出撃したオスマン艦隊のガレーにはバジリスク砲(80ポンド砲のことか)という巨大砲が搭載されていてヨーロッパ人を驚かせたが、それを発射した瞬間に反動でガレー船はひっくり返ってしまった――など、興味深いエピソードを知ることができます。
絶版してるので古本屋さんで。

 


船の歴史事典
アティリオ・クカーリ/エンツォ・アンジェルッチ著 

古代から現代までを網羅する船の辞典です。
本文部では海事に関する歴史が語られているのですが、至る所にその時代の船のイラストと解説がちりばめられています。カラーページも多く、ビジュアルとして当時の帆船・ガレー船についてつかむのに適した資料と言えます。
欠点はやや高価なことです。大航海時代周辺の時代に関する記述は全体の1/3しかなく、そのためだけに5000円出すのはちょっと高いですね。

 


大帆船 輪切り図鑑
S・ビースティー 著
R・プラット 画
北森 俊行 訳

「大帆船 輪切り図鑑」は、18世紀のイングランドの戦列艦をCTスキャン撮影したように船首から船尾楼まで輪切りにして図説した絵本で、船員たちの日常生活の衣食住から海戦の模様まで、当時の習俗が詳細に描かれています。
その様子を簡単に言えば、野蛮で、下品で、不潔で、残酷で、人が虫けらのようにゴロゴロと死ぬ世界です。そんなダークでワイルドな景色、をほのぼのとしたタッチでイラストにしてるセンスが退屈させません。

大航海時代onlineゲーマーの必読文献リストの筆頭に何か挙げるとしたら、迷うことなくこの本を推します。

 


16世紀の帆船
リチャード・ハンブル 著 
マーク・バーギン 画 
杉浦 昭典 訳

「輪切り図鑑」とコンセプトが似ていますが、こちらで取り上げられているのは16世紀の戦闘用キャラックとガレオンです。キャラック船とガレオン船の違いが一目瞭然で図説されているほか、様々な職人が関わって船が建造されていく様や船内での生活と海戦の様子などが美しいカラーイラストで描かれています。

入門用の資料として大変素晴らしい本なのですが、残念なことに絶版されてしまい入手が困難です。
図書館で見かけたらぜひ手に取ってみてください。

 



われら船乗り 海の慣習と伝説
杉浦昭典 著

杉浦氏の著書の中でも1975年に書かれた比較的古い本です。幽霊原子力潜水艦の話から赤道祭りの新人いじめの話まで小ネタがいっぱい。
なかでも衝撃的だったのが、進水式で船体にシャンパンの瓶をぶつけて割るセレモニーの原形が凄惨な生贄の儀式だった、という話でした。
北欧のバイキングは進水式の生贄として、船を滑らせる丸太材に罪人や奴隷を縛りつけておきました。祈りが終わって舫い綱が切られ、船体が勢いよく海へ滑り出してゆくとともに、まるでローラーですり潰されるように彼らの血や肉がはじけ飛んだのだそうです。キリスト教が広った頃には神に捧げる「血」は赤ワインで代用されるようになり、いつの間にかシャンパンになったのだとか。
大変面白い本です。

 


帆船史話 王国の海賊編
杉浦昭典 著

「戦艦の時代編」と合わせ、イギリス海事史の前編といった本。イスパニアの天敵ドレイク、英国海軍の立役者ピープス、最後の「女王陛下の海賊」アンソン、世界一周半ばにして斃れたクックといった人物伝を、様々なエピソードや豆知識とともに紹介している良書です。
文体も読みやすく、大航海時代onlineプレイヤーに一読をお勧めしたい本なのですが、残念ながら絶版状態です。

 


帆船史話 戦艦の時代編
杉浦昭典 著

「王国の海賊編」の続編にあたり、時代で言えば17〜18世紀、海軍と戦列艦の時代の英国海事史の物語です。
栄光の英国海軍の裏で行われた船員の強制徴募からはじまり、前半では、戦列艦の悲惨な船内生活や映画にもなった「バウンティ号の反乱」のエピソードなど、英国海事史の闇の部分に光を当て、後半はネルソン提督とトラファルガー海戦を描きます。
個人的には最終章「船鐘、鳴り止む」と題した船鐘に関するエピソードが好きです。当時の帆船の船鐘は時報がわりで、鐘が何回鳴ったかで船員の行動は全部コントロールされます。船員たちの生活の基軸になった鐘の音に悲喜こもごもの物語が重なります。

 

 


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